納棺時の棺の上の棺掛けと守り刀について (家族葬・お葬式・葬儀・まるいち・京都)
●棺掛けと守り刀について
葬儀において用いられる用具やしきたりには、故人を敬い、無事にあの世へ旅立ってもらうための深い意味が込められています。その中でも「棺掛け(かんかけ)」と「守り刀(まもりがたな)」は、日本の葬送文化を象徴する重要な要素の一つです。これらは単なる形式的な道具ではなく、日本人の死生観や信仰、そして遺族の祈りが反映された存在です。
○棺掛けとは
棺の上から掛けられる布のことを指します。主に白色を基調とした布が用いられ、蓮の花や雲、鳳凰、経文などが描かれることがあります。白は日本において清浄や無垢を象徴する色であり、死を穢れとして忌むものではなく、清らかな旅立ちとして受け止める考え方が表れています。棺掛は、故人の亡骸を覆い守る役割を持つと同時に、死後の世界へ向かうための装いとしての意味も持っています。
また、棺掛けの意匠や有無は、宗派や地域、葬儀の形式によって異なります。仏教葬儀では、極楽浄土を象徴する蓮の花が描かれた棺掛が多く用いられ、阿弥陀仏の導きによって安らかな世界へ往生することを願う意味が込められています。
一方で、神道や一部地域の風習では、装飾のない白布のみを用いる場合もあります。いずれにおいても、棺掛けは故人への敬意と遺族の祈りを視覚的に表す大切な役割を果たしてきました。
近年では、葬儀の簡素化や価値観の変化に伴い、棺掛けを用いないケースも増えています。その背景には、棺自体に刺繍や絵柄、装飾が施された棺が普及してきたことが挙げられます。棺の側面や蓋部分に蓮の花や桜、風景などが描かれているため、あらためて棺掛けを掛ける必要がないと考えられる場合も多くなっています。また、家族葬や直葬といった簡略化された葬儀では、棺掛を省略し、故人らしさを重視した棺選びを行う傾向も見られます。このように、棺掛の役割は形を変えながら現代の葬儀に受け継がれています。
○守り刀とは
守り刀とは、故人の胸元や枕元、あるいは棺の中に納められる小さな刀や短剣のことを指します。これは武器として使用するものではなく、魔除けや護符としての意味を持つものです。日本では古くから、刃物には邪気を祓い、悪いものを退ける力があると信じられてきました。そのため、死後の旅路において故人を災いや悪霊から守るための存在として、守り刀が用いられてきました。
守り刀の風習は、主に民間信仰や武家文化の影響を受けて広まったものです。死は現世と異界の境目であり、不安定で危険な状態であると考えられていたため、その境界を無事に越えるための「守り」が必要とされました。守り刀には、故人が迷うことなく成仏し、安らかな世界へ向かえるようにとの願いが込められています。現代では本物の刀ではなく、模造品や小型の金属製、あるいは象徴的な形のものが用いられることが一般的です。
ただし、すべての仏教宗派で守り刀が用いられるわけではありません。
浄土真宗では、守り刀を基本的に使用しないとされています。浄土真宗の教えでは、人は亡くなると同時に阿弥陀仏の本願によって浄土に往生すると考えられており、死後の旅路における魔除けや護りを必要としないためです。そのため、守り刀や死装束に関する魔除け的な要素は、教義にそぐわないものとして用いられないのが特徴です。
●まとめ
現代の葬儀では、棺掛けや守り刀を必ずしも用いない場合が増えています。宗派の考え方や葬儀の形式、遺族の意向によって選択されるものとなっています。
しかし、これらの風習が生まれた背景を知ることは、日本人が死をどのように捉え、どのような思いで故人を送り出してきたのかを理解する上で重要です。
棺掛と守り刀はいずれも、故人を敬い、安らかな旅立ちを願う心から生まれた象徴的な存在です。形や有無が変化しても、その根底にある祈りの気持ちは、現代の葬送文化においても大切に受け継がれています。
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ページ公開日: 2026-01-18
ページ更新日: 2026-01-25
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