宗教について思うこと まるいち 京都 家族葬 葬儀 お葬式

弊社にご依頼頂くご葬儀において、最近よく「うちは無宗教なんです」と言われるのを耳にします。確かに、私自身も仏壇は祖父母の家にしかなく、離れて暮らしているため、私生活において、なにかをお祀りすることはありません。ですが、宗教を否定し何も信仰をしないわけではなく、特定の宗教をもたなくても、神様や霊の存在は信じています。皆様の中にも半数ほどはそういう考えの方がいらっしゃるのではないかと思います。

 日本人はもともと、多神教でした。八百万(やおよろず)の神様という言葉を聞かれた事がある方もいらっしゃると思います。日本では古くから、自然のものにはすべて神様が宿っていると考えてきました。山や田んぼ、トイレや台所など、無限に近い数の神様を崇拝していました。

 世界宗教であるキリスト教やイスラム教では、唯一絶対神、一神教であるため、仏教や神道とは考えが異なります。民族間の争いが絶えず、異民族の支配を受けていたり、灼熱の太陽や砂漠など自然が厳しい地域だったという背景があるそうです。それに比べて日本は、四方を海に囲まれており、天然の要塞に守られていました。征服される心配がほとんどなかったのと、四季がはっきりとしており比較的温暖で水資源に恵まれた気候が、日本人の宗教意識にも影響していると言われています。日本人が多神教だったからこそ、飛鳥時代に中国からもたらされた仏教も受け入れられやすかったのでしょう。

仏教において、『輪廻転生』では現世の自分は、前世の行いによって定められた結果であり、それを受け入れ、来世のために、与えられた環境で努力することが人生の目標とされます。世界宗教はとくに、戒律があり日常の行動規範があります。こう生きるべきという人生のお手本を示すものであるのではないかと、私は思います。

 ただ、日本の宗教は神道と仏教が混合し独自に発展していったそうです。神道には、固有の教義や経典がなく、亡くなった後の世界を明確にしていません。『輪廻転生』の考え方もあまり定着していません。だからこそ他地域の文化や宗教を柔軟に受け入れられたとも言えるのではないでしょうか。

 日本では年が明ければ神社へ初詣に行き、お盆やお彼岸にはお墓参りをします。クリスマスやバレンタインデーといったキリスト教のしきたりや、友引、大安、仏滅などの六曜を気にする人も大勢います。日本でははどの宗教に対しても、上手に日本固有のものにカスタマイズしていったといえます。

 私は学生の頃に父が亡くなり、身近な人がこの世からいなくなるという“死”に触れました。その時ようやく初めて、人は死んだらどこへ行くんだろう、と不思議に思い、色々な宗教関係や精神世界の本を読みあさった記憶があります。結局は、死んだあとの世界など行った人にしか分からないものであり、これが正解だというものは見つかりませんでしたが、理解しやすかったのはやはり仏教のように思います。どうしても、死んだら“無”になってしまうとは思いたくなかった面もあります。

 仏教では、死者は現世と来世の間にあるという中陰の世界、冥途を旅しながら、七回の裁判を受けます。暗く苦しい旅の力になるのが、こちらで私たちがあげるお線香やお経です。旅のはじめは死出の山を七日間かけて歩き続け、秦広王によって仏教の五戒を守ったかについて調べを受けます。第一の法廷を過ぎると、三途の川にたどり着きます。生前の行いによって、善人は橋を、罪が軽い者は浅瀬を、罪の重い者は流れの激しい濁流を渡ることになります。渡し舟に乗せてもらうために、六文銭を持たせます。

第二法廷では殺生について、第三法廷では邪淫について、第四法廷では生前の言動について、第五法廷では閻魔大王に嘘をついたことについて裁かれます。閻魔大王の報告に基づいて第六の裁判が行われ、第七法廷で秦山王より六つの鳥居を死者に指し示され、これを死者が選ぶことによって裁判は閉廷となります。鳥居の向こうには六道輪廻の世界が待ち受けていますが、どの鳥居がどこへ通じているかは、死者には分かりません。ですが、因果応報、自分の行く先は現世での結果ということになります。六道輪廻の六道とは、天道、人道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道をいいます。

 輪廻転生という考え方は、仏教を説く前の道徳的な段階の教えではありますが、小さい頃から「悪いことをしたら地獄に落ちるよ」と言われてきた思い出があります。

 仏教ではこの世もあの世も修行であり、厳しい世界のようにも思えますが、私たちがより良く生きるためにあり、かつご先祖様の修行の応援になるようお線香を炊いて手を合わす理由になるのだと思います。

 お仏壇や神棚は、私たちの日常の中で、唯一非日常の場所です。目に見えない世界とつながり、自分がここにいるという感謝を感じ、落ち着いて向き合える貴重なものです。

 無宗教という言葉で片付けてしまうのも自由ですが、日本人だからこそ生み出された宗教、考えに少しでも興味を持ってみていただければと思います。

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ページ公開日: 2021-03-13 
ページ更新日: 2021-04-30