忌中紙について
皆様はこの忌中紙というのを
ご存知でしょうか?
忌中紙とは、ご家庭にご不幸が起きてしまった際、
そのご自宅の表玄関上部に白紙に黒字で【忌】もしくは【忌中】と記した用紙を貼る習慣の事をいいます。
以前はよく見かけた札ですが、近年はほとんど見なくなったと感じる方も多いかもしれません。しかし、まだまだ忌中紙の文化が根強く残っている地域もあります。そこで、忌中紙の由来や貼り出しておく期間などをご紹介します。
●忌中紙の由来
この習慣の由来は、もちろん諸説ありますが、日本では死を穢れとする考え方があります。
家族の中で不幸があると、身内は落ち込み、元気をなくす姿が「気が枯れた」ような状態に見えることから、「気枯れ」と呼び、この「気枯れ」が変化して「穢れ」と呼ばれるようになったとも言われています。
また、日本では仏教の教えと同様に神道も日本人の日常生活に大きな影響を与えています。神道では「穢れ」の考えが強く、ご自宅に神棚がある方は忌中の期間中は神棚の前に半紙を貼り、神棚に穢れが入らないようにする「神棚封じ」という習慣があります。
葬儀は仏教式でありながら、穢れの考えのように神道の教えも葬儀に含まれている事もあります。
上記から、死の穢れを他の人にうつさないように、他人と接するのを避け、そのご自宅にご不幸があった事をお知った近隣の方々は、四十九日間まではそのご不幸があったお家との日常的なお付き合いは控えられていたそうです。
また、この忌中紙を貼る事で、葬儀後少ししてから、玄関上の忌中紙に気付かれる方もあり、訃報が行き届かなかったお知り合いの方にも伝わるように貼られていた一面もあります。
●しきたりや宗教による忌中紙への考え方の違い
しかし、宗教としてみたときに、死を穢れととらえていない宗教もあります。例えば、キリスト教には忌中や喪中の概念がありません。そのため、忌中札を掲示することもありません。また、浄土真宗では亡くなった方は即身成仏として、穢れの期間はないものと考え、「忌中」ではなく、亡くなられた方は浄土の地へ還られた(帰られる)とする「還浄」(げんじょう)の紙を貼る地域もあります。
現代では、死=穢れという考え方は薄れてきており、忌中紙は家族の不幸を外に知らせる告知板の役割に変化しました。
また、近親者のみで葬儀を行いたいとする方が多くなり、忌中紙を貼る事で身内の不幸がご近所に知られてしまう事を懸念したり、忌中紙の貼り出しがきっかけで、そのお家の留守が頻繁になる可能性が高くなる事が想像できる為、防犯を懸念して、忌中紙を貼る習慣は激減してきております。
●貼る期間について
忌中紙を掲示する期間については、地域によって大きく異なります。故人が逝去して、葬儀日程や場所が決まり次第貼り出します。忌中期間が終わるまで掲示しておく地域もあれば、葬儀の終了後すぐに外すご家庭もあります。
一般的に忌中紙を掲示する期間は故人がなくなってから四十九日までとされています。仏教では、人が亡くなってから49日間は死者の魂がまだこの世に彷徨っていると言われていて、魂が無事に極楽浄土へ旅立てるように審判が開かれるとされています。
なお、神道では49日ではなく、1日多い50日目を50日祭として、この日を忌明けにあたる節目と考えております。
この忌中の間、遺族は本来7日ごとに法要を行い、故人が成仏できるように祈り、供養します。四十九日法要が終わると魂が住み慣れた家を離れて旅立ち御霊となり、この時をもって忌中期間が終わり、身内は日常生活に戻っていく事となります。
●忌中の期間の禁忌次項
この忌中の間、ご遺族はあらかじめ予定していた結婚式の列席を断るなど、人が多く集まるような催しや会には、できるだけ参加を控えるといったような事がありましたが、現在は参加する側もされる側も過去ほど気にされなくなっているようです。
また、忌中の期間は神社へのお参りは控えるようにして、忌が明けたら地域の氏神様へお参りに行く「晴れ参り」(はれまいり)という習慣がありました。
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ページ公開日: 2025-03-18
ページ更新日: 2025-04-13