死に水(末期の水)とは(家族葬・京都・まるいち)
●死に水(末期の水)とは
死に水とは、臨終に立ち会った近親者が亡くなった人の唇に水を含ませてあげる儀式のことです。死に水は一般的に「末期の水(まつごのみず)」とも呼ばれています。「末期」には「人生の最期を迎えようとしている瞬間」という意味があり、昔は臨終を迎える直前に死に水を行っていました。亡くなった人の唇に水を含ませるだけでなく、近親者同士で水を分かち合うこともあったとされています。現在は、病院から自宅や葬儀場などにご遺体を搬送した後や、ご納棺の際、出棺前のお別れの時に行われることが多いです。死に水は、故人と最期のお別れをする上で、大切な意味を持つ儀式です。
●死に水の意味や由来
死に水は、仏教の経典に書かれているお釈迦様の入滅に由来する儀式だとされています。お釈迦様は亡くなる直前に、「喉が渇いたから水をください」と弟子に頼みました。しかし、近くの川の水が汚れていたため、弟子はお釈迦様に我慢するよう伝えます。すると、そこに仏道を信仰している鬼神が現れ、鉢に入れた浄水をお釈迦様に捧げました。この浄水を飲んだお釈迦様は、心安らかに浄土へ旅立ったとされています。このような逸話から「お釈迦様のように安らかな気持ちで旅立ってほしい」という願いを込め、死に水の儀式が行われるようになったのです。他にも、この世での汚れを清めるためという説や、もう一度生き返ってほしいという願いを込めたという説もあります。
●死に水を行うタイミング
死に水を行う(取る)タイミングは、昔と現在では異なるとされています。以前はお釈迦様の逸話に倣い、亡くなる前の息がある段階で死に水を取るのが一般的でした。「水を飲むことでまた元気になってほしい」「苦しみのない状態で極楽浄土へと旅立ってほしい」という願いから、臨終間近のタイミングで行われていたとされています。また、昔は医学が未発達だったため、生死の確認がきちんとできませんでした。そのため、水を飲ませたときに喉仏が動くかどうかで、生きているかの確認をしていたともいわれています。しかし、医学が発達した現在は、死に水を取る以外の方法で生死の確認ができるようになりました。そのため今では、臨終を迎えた後の供養の一環として死に水を取るのが一般的です。
●死に水(末期の水)を行う際に必要なもの
死に水を取る際は、いくつか道具を用意する必要があります。死に水の儀式では、水を入れるための桶または小皿、使っていない割り箸、水を含ませる脱脂綿、白い糸、水、顔の水分を拭き取る布が必要です。地域によっては、脱脂綿の代わりに、鳥の羽や菊の葉、樒(しきみ)、新しい筆を使用することもあります。死に水の儀式を行う前に、地域ごとの慣習を確認しておきましょう。死に水を取る際に必要な綿花と樒は、まるいちで無料でご準備いたしますので、お気軽にお声掛け下さい。
●死に水(末期の水)を行う手順
死に水は限られた近親者のみで行う儀式のため、死に水の儀式に参加したことがない方も多いでしょう。どのような手順で儀式が行われるのか確認しておくと、当日落ち着いた気持ちで故人とのお別れができます。ここからは死に水の手順を紹介しますので、しっかりと流れを押さえておきましょう。
①水を器に入れる
まず、用意したお椀や桶、小皿などに水を注ぎます。水は普段故人が飲んでいたものを使用するのが一般的です。水を注いだら、枕元に器を置きましょう。死に水の儀式では水を使用するのが基本ですが、ご遺族や故人の意向に合わせて使用する飲み物を変えられる場合もあります。故人が好きだったお茶やジュース、お酒などで死に水の儀式をしたい場合は、葬儀社のスタッフに相談しておくとよいでしょう。
②脱脂綿に水を含ませる
桶や容器に水を準備したら、未使用の割り箸に脱脂綿を巻いて白い糸で留めます。水を入れた器を故人の枕元に置いて、脱脂綿に水を含ませましょう。たっぷりと水を含ませる必要はなく、少量の水で軽く湿らせる程度で構いません。
③脱脂綿を故人の口につける
脱脂綿を湿らせたら、故人の唇に当てます。まずは上唇の左から右側に向かって、撫でるように優しく脱脂綿を当てます。上唇を湿らせた後は、下唇も同じように左から右に脱脂綿を当てて水を含ませます。
④故人の顔を清める
儀式に参加している人全員が死に水を取った後は、きれいな布で故人の顔を拭いて清めます。布を水で濡らして固く絞ったら、まず額から拭き上げます。死に水を取るときと同じく、左から右に向かって優しく拭いましょう。次に鼻から顎にかけて上から下に顔を拭きます。顔を清めている間は「今までお疲れ様でした」「本当にありがとう」などの声かけを行います。
⑤合掌する
故人の顔を清めた後は、合掌します。その場にいる全員で手を合わせ、故人の冥福を祈りましょう。
●宗派・宗教別の死に水の違い
死に水は仏教に由来する儀式であり、宗派ごとに死に水に関するマナーは異なります。また、神道とキリスト教の臨終の儀式についても解説します。
【浄土真宗】
浄土真宗では、死に水の儀式は行われません。浄土真宗においては、故人はすぐに極楽浄土へ行って仏様になると教えられています。そのため、旅立ちの準備である死に水を行う必要はないと考えられているのです。
【神道】
神道では、仏教と同じく死に水の儀式が行われます。神道の死に水では脱脂綿やガーゼではなく、榊の葉に水を含ませて故人の唇を拭うのが特徴です。また、仏教では「死に水は故人を惜別するために行う儀式」とされていますが、神道では死者の穢れを落とすという意味合いがあります。
【キリスト教】
仏教や神道とは異なり、キリスト教では死に水の儀式は行われません。その代わり、故人のご遺体を清めるための儀式が行われます。この儀式は、プロテスタントかカトリックかによって内容が異なるため、間違いのないよう注意が必要です。
・プロテスタントの場合は、牧師がパンとぶどう酒を故人の口に与える「聖餐式」という儀式を執り行います。聖餐式には、故人が安らかな状態で神様の元へ行けるようにという意味合いが込められているのです。パンとぶどう酒を与えた後は、牧師と遺族が聖書を読んで神への祈りを捧げます。
・カトリックでは「病者の塗油の秘跡」と呼ばれる儀式が行われます。これは顔全体に聖油を塗ることで、病気の苦しみから故人を救うという願いを込めるものです。
●まとめ
このように『死に水』ひとつをとっても、宗派、宗教によって様々な違いがあります。正しい知識知り、意味を理解し故人様をみおくりましょう。
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ページ公開日: 2024-12-09
ページ更新日: 2025-01-11