焼香について(家族葬・京都・まるいち)

焼香という言葉は聞いたことがあっても、どのような意味があるのかは知らない人も多いのではないでしょうか。こちらでは焼香の意味や由来を紹介いたします。

●焼香とは

焼香とは、葬儀や法要で行われる所作で参列者全員が順に香を焚くことをいいます。仏や故人の前で、香を焚くことで焼香する人の心と体を清める意味があります。作法は宗派による違いがあります。仏教では焼香から立ち上る煙や香りに仏の食べ物であるとか、あの世への道しるべとなるといったさまざまな意味を持たせています。抹香という香木を細かくしたものを使う場合もあれば、線香を使う場合もあります。抹香の材料には樒しきみや白檀をメインに使うのが一般的です。一方、線香は香木や香料を練ったもので、江戸時代の始め頃に今のような細い棒状になりました。弊社では主にホール内で使用するので煙の少ないタイプの抹香を使用させていただいております。

●焼香の由来

仏教発祥の地インドは湿度や気温が高く、肌を清潔に保つのに抗菌効果がある香を用いていました。鎮静効果もあるためインドの宗教儀式で瞑想や物事に集中するために使われており、仏教とも深い関わりがあるのです。また、インドでは酷暑のため、遺体の腐敗臭が生じやすく、腐敗臭を抑える臭い消しとしても香が焚かれるようになりました。歴史上、日本で香が登場したのは、聖徳太子の時代です。淡路島で流木を燃やしたところ、大変よい香りがしたため献上したと日本書紀に記されています。日本の香の文化は香りを楽しむためのものとして発達しました。仏教伝来の際、香はあらためて仏具のひとつ「焼香」として日本へ伝わりました。

●焼香の意味

日本には、6世紀半ば仏教伝来と同じ頃に香も伝わったといわれています。焼香は、仏や故人のためにおこないますが、参列する人の精神や肉体の不浄を祓う意味もあります。焼香には、仏や故人に向き合う前に身も心も清める意味があります。さらに、煙が立ち上る様子から、よい香りがあの世へ導いてくれるものとする意味も持っています。焼香の煙が部屋の隅々に行きわたる様子は、仏の慈悲が誰にも平等に行きわたる様に例えられます。焼香に使われる抹香の材料のひとつ、白檀はお釈迦様が荼毘に伏されたときに使った高貴な香木です。また、白檀と合わせて使われるのが「樒しきみ」で、「邪気を祓う」「故人を守る」という意味があります。

●一般的な焼香の作法

焼香は、3種類の方法があります。立って焼香を行う『立礼焼香』座ったままで行う『座礼焼香』お盆にのせた焼香台を参列者に順番に回して行う『回し焼香』の3種類です。

『立礼焼香』…式場でおこなう通夜や告別式の場合、立礼焼香が一般的。参列者は順番に焼香台と香炉の前まで行き、立ったままで焼香を行います。

①順番が来たら祭壇の前まで移動する

②祭壇の手前で遺族と僧侶に一礼

③焼香台の前で遺影に一礼

④左手に数珠を掛ける

⑤右手の親指・人差し指・中指の3本で軽く抹香を摘まむ

⑥香炉、香炭の上に落とす

⑦遺影に合掌をして一礼

『座礼焼香』…おもに自宅や寺院など畳敷きの会場で行う焼香です。膝行しっこうといって、座ったまま移動する動作があります。

①祭壇まで中腰で進みます

②正座しご遺族と僧侶に一礼します

③遺影に一礼します

④膝行で焼香台まで進みます

⑤左手に数珠を掛ける

⑥右手の親指・人差し指・中指の3本で軽く抹香を摘まむ

⑦香炉、香炭の上に落とす

⑧膝行ですこし後ろに下がります

⑨ご遺族と僧侶に一礼し、中腰で自席に戻ります

『回し焼香』…席についたままで、香炉を順次まわし、焼香する方法です。席から焼香台への移動が難しい会場で行われることがあります。椅子席のときは、膝の上に香炉をおいて行いましょう。

①盆が回ってきたら会釈して香炉を受け取ります

②香炉を自分の前において祭壇に向かい合掌します

③左手に数珠を掛ける

④右手の親指・人差し指・中指の3本で軽く抹香を摘まむ

⑤香炉、香炭の上に落とす

⑥次の人へ香炉を回します

焼香は故人と関係が深い人から、順におこないます。最初に喪主、次いで座席順に親族、その後に葬式参列者が座っている順番におこないます。葬儀スタッフから指示がある場合はそちらに従います。座席順は配偶者や親子など、故人との関係が深い人から順番に決められますが、参列者には決まりはありません。弊社では主に家族葬を主体でしておりますので、前列のお客様からお焼香のご案内をさせていただいております。

○宗派別の焼香回数例

【宗派】 ご焼香回数

【日蓮宗】押しいただいて1回または3回

【浄土宗】押しいただいて1回〜3回

【真言宗】押しいただいて3回

【日蓮正宗】押しいただいて3回

【臨済宗】押しいただいて1回

【曹洞宗】2回(1回目は押しいただく、2回目は押しいただかない)

【天台宗】回数を特に定めていない

【浄土真宗 本願寺派】1回押しいただかない

【真宗大谷派】2回

【真宗高田派】3回

【創価学会】3回

【黄檗宗】3回

※あくまでも一例です。お寺によっては回数、作法などを定めておられるところもございますので一度聞いていただいた方が良いかと思います。

●焼香を行う際のマナー

厳かな雰囲気のなかで、参列者の前で行う焼香はどうしても緊張してしまうものです。ここからは、葬儀の途中で退出したいときや、焼香がない葬儀など、特別なケースについて解説します。

【焼香のみで失礼したいとき】

時間の都合などで通夜や葬儀を最後まで参列できないというときがあります。途中で退出しても目立たないようマナーを守れば失礼にならずにすみます。立礼焼香であれば会葬者が順に動くので、焼香を終えたタイミングで会場を後にしても目立ちにくいでしょう。座礼焼香、回し焼香のように会場が狭いときはあらかじめ葬儀社スタッフか、ご遺族に伝えておき、出入口近くの席に座らせてもらうようにします。また、複数人が同時に退出しないよう周囲にも気を配りましょう。

【自宅へ焼香に伺いたいとき】

自宅へ焼香に伺いたいときは、訪問のマナーとして必ず事前にご遺族へ連絡をしましょう。訪問は葬儀を終えて数日後から四十九日までの間に伺うのが一般的ですが、あくまでもご遺族の都合に合わせたスケジュールにします。男性の場合はダークスーツ、女性はダークカラーのアンサンブルかワンピースを着用し香典やお供え物を持参しましょう。なお、仏壇に向かって焼香しますが、焼香のかわりに線香をあげても問題はありません。

●他宗派の場合はどうすれば?

○神式の場合…ご焼香の代わりに「玉串奉奠」という作法が行われます。榊の枝葉に「紙垂しで」という紙片を付けた玉串を神前へささげます。もし玉串が用意されていなかった場合は、神前で「二礼二拍手一礼」(2回頭を下げ、胸の前で2回拍手し、1回頭を下げる)のみでかまいません。葬儀のかしわ手は「しのび手」といい、音を立てないように手を合わせます。受け取った玉串を回してから供えますが、くれぐれも歩きながら回さないように注意しましょう。

○キリスト教式…ご焼香の代わりにカーネーションなどの花を手向ける「献花けんか」が用いられます。参列者の多い葬儀の場合は、献花けんかを省略し、全員で黙祷もくとうを捧げる場合もあります。

●まとめ

焼香は普段馴染みのあることではないので、分からないこと、不安になることがたくさんあると思います。ですが焼香の意味、作法を知って落ち着いて行動すれば緊張も少しはほぐれるでしょう。もし分からないことがあれば、近くにいる葬儀スタッフにお気軽にご相談いただければと思います。何でもお答えいたしますので、頼りにしてください。

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ページ公開日: 2024-01-08 
ページ更新日: 2024-06-10