葬儀のしきたりについて(家族葬・京都・まるいち)

葬儀には地域によっていろいろなしきたりや風習がございます。今回はそんな中から京都で行われる事がある葬儀でのしきたり、風習をご紹介しようと思います。
●子が先立ってしまった場合、親は火葬場へ同行しない
年齢問わずお子様が親より先にお亡くなりになられるケースも稀にございます。そういった場合『逆縁(ぎゃくえん)の不幸』といい、昔から最大の親不孝と言われ「火葬場まで行ってあげる必要はない」ということのようですが、これは表向きの理由で、実際には子供に先立たれて深い悲しみに暮れる両親への気遣いによるものと考えられています。
しかし、近年では最後のお別れの場でもありますので火葬場への同行の判断は遺族様へお任せしております。
●出棺時、故人様の茶碗を割る
出棺の際や、故人様がご自宅から出発する際に故人様が愛用していた茶碗を割ることがございます。
この風習には「あなたの食事はありませんので、迷わず成仏してください」という意味があるようです。かつては日本各地で広く行われていた習慣ですが、現在では近隣地域に対する騒音への配慮などから行われることも少なくなっています。
今では京都でも都市部では少なくなっているようで、行う場合は周りに飛び散らないよう茶碗を紙袋などに入れてから割ることが多いです。
●霊柩車の作法
出棺の際は北向きに出発してはいけない。ということがあります。葬儀会館などの出口や面する道路の事情で北向きに出なければいけない場合は一度バックで数メートル進んでから出発するなどの処置をとる事もあるようです。また故人様が乗車している車は神社の鳥居やいわゆる参道を走ってはいけない。などのしきたりもございます。
●全てのご遺骨を収骨しない
全てのご遺族がということではございませんが、京都府を含めた近畿地方では火葬後の遺骨の主要な部分だけを収骨する「部分収骨」が主流となっています。(足元から順に収骨し最後に喉仏を収骨します)
そのため利用する骨壷も5寸(口径:約15㎝)ほどと小さいことから、関東地方からの参列者に驚かれることも多いようです。
収骨後に残った遺骨は、そのまま火葬場に残して帰るのが通例となっているのも関東地方の方にとっては不思議に感じる点かもしれません。
●収骨の際は違い箸
火葬後の収骨の際に竹と木で作られた素材が異なる箸を、それぞれ一本ずつ使用するのがしきたりがございます。こういった習慣は「違え箸(ちがいばし・たがえばし)」と呼ばれ、死穢(しえ)を避けるための逆さ事の1種です。
「逆さ事」とは普段とは異なる方法で物事を行うことで、死の穢れ(けがれ)を日常から切り離すための行為を指します。
着物の袷(あわせ)を通常とは逆にする「左前(ひだりまえ)」や、屏風を上下逆にする「逆さ屏風(さかさびょうぶ)」など各地にさまざまな「逆さ事」の習慣が残されているようです。
● 友引の日の出棺には友引人形を棺に入れる
「友引」に葬儀を行う場合、故人様が周りの方を連れて行かないように棺に「友引人形」を入れるしきたりがあります。
「友引人形」は、人型の木板に目鼻を書きこんだだけの簡素なものから、こけしに近い形状のものまであるようです。
●不祝儀には黄白水引
通夜・葬儀に持参するお香典には白黒または双銀水引の不祝儀袋を利用するのが一般的ですが京都では黄白の水引を用います。
かつて宮中への献上品には、玉虫色(紫がかった濃緑色)の水引を掛けるしきたりがありました。
遠目で見ると玉虫色は黒と見分けがつきにくく、庶民が弔事に使用するのは畏れ多い(おそれおおい)という考えから喪を表す黄色を用いるようになったといわれています。
武家文化よりも公家文化が身近な京都らしいしきたりですが、同じ近畿地方の大阪府や奈良県でも黄白の水引を弔事に利用する習慣がみられます。
ただし京都府以外では忌日法要や年忌法要には利用するものの、通夜・葬儀では黒白が主流となっているようです。
このように地域の方からすると知っている人は知っているといったしきたりなんですが他地域の方からするとおもしろく感じることもあるかもしれません。それぞれの地域によって葬儀の形も様々ということです。
色々な地域の葬儀の形やしきたりを調べてみるのもおもしろいかもしれませんね。
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ページ公開日: 2023-10-31
ページ更新日: 2024-06-10