精進落としについて(家族葬・京都・まるいち)

こちらでは、精進落としとは何か、流れや料理の内容などについて、ご説明致します。

仏式での精進落としについて、ご説明いたしますが、近年の様々な考え方の変化に伴って、【精進落とし】本来の仏教的意味は薄れてきており、どちらかというと故人への供養や参列者に感謝のおもてなしをする会食という意味合いが強くなっています。

●精進落としの意味

精進落としとは、遺族や親戚を中心にして葬儀や火葬の後におこなわれる会食のことを指します。なお地域によっては、火葬中に精進落としをする場合もあります。

かつては仏教の考えに基づき、故人が亡くなってから四十九日法要を迎えるまでは、肉や魚などを使用しない精進料理を食べていました。その後、忌明けを迎えた際に普通の食事へ戻すことを「精進落とし」と呼んでいたため、今でもその名残りで使用されている言葉となります。他にも「お斎(とき)」や「お清め」とも呼ばれることがあります。

● 宗教・宗派による違い

精進落としは仏教特有のものですが、宗派による違いもあります。また、仏教以外の宗教では、精進落としのようなものがあるのかも気になる部分でしょう。

浄土宗と浄土真宗は厳しい修行は必要なく、「南無阿弥陀仏」という念仏を唱えることを重要とする浄土系の宗派です。浄土宗では葬儀後の会食を精進落としと言いますが、浄土真宗では精進落としという言葉は使わず、「お斎(おとき)」と言います。このように同じ仏教であっても、宗派によって言い方や考え方に違いがります。

仏教以外の宗教にも、精進落としのようなものがあります。神道では、葬儀終了後に関係者一同が集まって、会食である「直会(なおらい)」をするのが一般的です。霊前にも同じ料理を供えるのが特徴です。

直会には、神様にお供えしたものを頂くことで身を清めたり、神事から日常に戻るために体をほぐしたりする意味があります。

キリスト教では宗教的な意味はありませんが、葬儀を手伝ってくれた方や参列者をもてなすために、お酒や食事ではなく、お茶とお菓子を出すケースもあります。

●参加者の範囲

精進落としとは、通夜振る舞いと違って親族を中心とした会食になります。

僧侶にはできれば同席してもらったほうが良いですが、基本的には辞退されることが多いです。

僧侶が精進落としを欠席する時は御膳料を渡します。

御膳料の金額は5,000~10,000円程度が目安です。

また、故人用のお膳は通常「陰膳」という形式で用意することが多いです。

ただし、浄土真宗の宗派では原則必要ないとされているため、事前に確認をしておきましょう。

●精進落としはいつ行うか

仏教での本来のタイミングは、四十九日法要が終わり、忌明けを迎えたときです。現在では、精進落としを繰り上げて、葬儀当日の火葬が終わった後、つまりは【葬儀の最後に行うケース】が増えています。遠方から来る親族がそう頻繁には集まれないこと、現代の食習慣において49日間肉類や魚類を食べないことは難しいことなどが主な理由です。

さらに、亡くなってから7日後に行われる「初七日法要」も繰り上げて、葬儀当日に行われるケースも増えています。【火葬後に初七日法要が行われ、その後に精進落としを行う】という流れも少なくありません。

●精進落としを行わない場合

参列者の中には、精進落としがあるものと考えてスケジュールを組んだり、食事をせずに来たりする方もいるかもしれません。精進落としをしない場合は、その旨を事前に伝えることが大切です。

精進落としをしない場合は、食事の代わりとして、持ち帰り用の弁当や返礼品を用意するとよいでしょう。

【粗飯料】と白い封筒に書き、現金を入れて持ち帰ってもらう場合もあります。

一般的な葬儀で 精進落としは、故人の葬儀に参列してくださった方々へのお礼と感謝として、振舞うのが基本です。

しかし近年、家族葬の場合は、集まるのが近親者だけですので、精進落としをされず、代わりの弁当や返礼品を用意されない場合もございます。

近年の状況や、家庭のご事情により精進落としの形式は様々です。

●精進落としの席順

参列者のおもてなしとして行う精進落としの席順は、葬儀とは反対に喪主やご遺族は下座に座ります。
最も上座となる席には僧侶をご案内し、血縁関係が深い人ほど、上座に座り、世話役代表や葬儀委員長がいる場合は上座にご案内しましょう。その他の方に関しましては決まりはありません。

地域によって席順の並び方は違いもあります。さまざまな風習やしきたりもありますので、可能であれば、年長のご親族などに確認された方が安心です。

●精進落としの料理

現代の精進落としからはイメージしづらいかもしれませんが、精進落としは精進料理を振る舞うのがマナーでした。

【現代での精進落としの料理】

現在では料理の内容にこだわることは少なくなりました。

精進落としの料理は、仕出し弁当や寿司、懐石料理などを人数分用意します。今はメニューについて細かい決まりは特になくなっているため内容は自由ですが、伊勢海老や鯛など、お祝いの席で出される食材は避けましょう。

列席する人数があらかじめ決まっているため、料理は個別で用意しましょう。

精進落しは、故人が生前お世話になった方をもてなすための席でもあります。世代を問わず多くの方が参列する場合は、料理や飲み物の種類にも気を配る必要があります。ビールをはじめとしたお酒、ジュースなど、飲み物は複数用意しましょう。また、子供用のメニューや参列者のアレルギーの有無、持ち帰り用の食事の有無を、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

● 精進落としの案内から閉式までの流れ

参列者の中には、精進落としがあるものと考えてスケジュールを組んだり、食事をせずに来たりする方もいるかもしれません。

精進落としをどのような形式にするか、その旨を事前に伝えることが大切です。

① 火葬場から戻った後、または火葬場から戻って初七日の法要(繰上げ初七日)を終えた後に食事会場に移動します。

※ 精進落としの代わりとして、折詰め、お弁当などを持ち帰ってもらう場合は、こちらのタイミングでお渡しします。

①精進落とし開式の挨拶

出席者が着席したところで喪主が挨拶を行います。ご葬儀・(※初七日)が滞りなく執り行われたことを出席者に報告し、感謝の意を伝えます。

(※当日、繰上げ初七日を行う場合)

参加者全員の献杯によって会食が始まります。乾杯とは異なり、グラスを打ち合わせたり高く掲げたりすることはありません。

③宴席の開始

精進落としは親族をはじめとした方々に感謝し労をねぎらう宴席ではあるものの、故人様を偲ぶために設けられた場でもあります。そのため、故人様の生前の思い出を語らいつつもあまり騒がしくならないようにしましょう。

④精進落とし閉式の挨拶

開始から1~2時間程度を目安とし、出席者の食事の進み具合なども見ながら、喪主または親族代表者から精進落としを終了する旨の挨拶を行います。なお、今後の法要の日程が決まっているようであれば、この時にお伝えしましょう。

●挨拶の一例

【精進落とし開式の挨拶】

『昨晩のお通夜・本日の葬儀・(※初七日)とご多忙のところ◯◯(続柄・故人の名前)の為に、ご会葬をいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで滞ることなく葬儀・(※初七日)を済ませることができました。

ご参列の皆様へお礼の気持ちを込めて、ささやかではございますが、心ばかりのお食事をご用意いたしましたので、お時間の許す限りごゆっくりとお召し上がりください。

本日は誠にありがとうございました。』

(※当日、繰上げ初七日を行う場合)

※ 精進落としの代わりとして、お弁当、折詰めなどを持ち帰ってもらう場合

『昨晩のお通夜・本日の葬儀・(※初七日)とご多忙のところ◯◯(続柄・故人の名前)の為に、ご会葬をいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで滞ることなく葬儀・(※初七日)を済ませることができました。

(※当日、繰上げ初七日を行う場合)

本来ならば、ご参列の皆様へお礼の気持ちを込めて、食事の席を設けるべきところですが、(遠方よりお越しいただいている方もいらっしゃるため/現在の状況による為)失礼させていただきました。

本日はささやかではございますが折詰(代わりの品)をご用意しております。お持ち帰りいただき、◯◯(続柄・故人の名前)を偲ぶ時間として頂ければ幸いです。

今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。』

【精進落とし閉式の挨拶】

『皆様、本日は長時間にわたりまして最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。◯◯(続柄・故人の名前)もさぞかし喜んでいることと存じます。

まだまだ、ゆっくりとご歓談していただきたいところですが、ご列席の皆様もお疲れのことと存じますので、この場をお開きとさせていただきたいと思います。

皆様、どうぞお気をつけてお帰りください。

本日は誠にありがとうございました。

※納骨やその後の法要のスケジュールが決まっている場合には、このときに伝えましょう。

最後に…

お葬式にまつわる【精進落とし】のマナーは地域によってさまざまです。

また、近年の状況や、家庭のご事情により精進落としの形式は様々です。

精進落としの考え方は様々な形式よりも、喪主や親族を含め、故人と関わりのあった人達が支えあって前向きに進んでいくためにとても大切な事があるのではないでしょうか。

故人の思い出話をしたり、遺族にねぎらいや励ましの言葉をかけることが何よりの供養になるでしょう。

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ページ公開日: 2022-10-21 
ページ更新日: 2024-06-10